「行儀が悪いからやめなさい」。子供の頃、そう言われて育った方も多いのではないでしょうか。日本では「貧乏ゆすり」と呼ばれ、ネガティブなイメージが強いこの動作。
しかし、実は近年の研究で、この動作には驚くべき健康効果があることがわかってきました。海外では「Fidgeting(フィジッティング)」と呼ばれ、座りすぎによる健康リスクを軽減する手段として注目されています。
1. 「第2の心臓」を動かし、血栓を防ぐ
長時間座り続けることで最も怖いのが、足の血流が滞り、血栓ができる「エコノミークラス症候群」です。
ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれ、重力に逆らって血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしています。貧乏ゆすり(かかとを上下させる運動)は、まさにこのポンプ作用を強制的に稼働させる動きなのです。
研究データ:
1日3時間以上座っていると血管機能が低下しますが、貧乏ゆすりをすることで、その低下を防げることがミズーリ大学の研究で示されています。
2. セロトニン分泌でストレス解消
イライラしている時に無意識に足を揺らしてしまうことはありませんか?実はこれ、理にかなった行動なのです。
貧乏ゆすりのような「一定のリズムを刻む運動(リズム運動)」は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」の分泌を促します。セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させ、集中力を高める効果があります。無意識のうちに、私たちは脳をリラックスさせようとしているのです。
3. 座りながらカロリー消費 (NEAT)
「NEAT(非運動性熱産生)」という言葉をご存知でしょうか。これは、スポーツなどの意図的な運動以外の、日常生活での活動によるエネルギー消費のことです。
貧乏ゆすりは、立派なNEATの一つです。じっと座っているのと比べて、貧乏ゆすりをしているとエネルギー消費量が数十%増加するというデータもあります。まさに「座りながらダイエット」の効果が期待できるのです。
これからは「健康ゆすり」と呼ぼう
もちろん、公共の場や会議中など、周囲に人がいる場面ではマナーとして控えるべきでしょう。しかし、一人のデスクワーク中や自宅でのリラックスタイムには、積極的に足を揺らしてみてはいかがでしょうか。
「貧乏ゆすり」ではなく「健康ゆすり」。そう呼び名を変えるだけで、あなたの健康習慣の一つになるはずです。